和菓子に関する豆知識
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はじめに
こんにちは。
有限会社フルーツ餅松竹堂の代表取締役、松本勝成です。
このページでは、普段から親しまれている日本古来の行事や西洋から入ってきた行事の豆知識をダラダラ書き綴るコーナーです。
ちなみに、私はあまりマメな性格ではないため不定期更新となりますのでご了承いただけると幸いです。
外国から入ってきた思想をすごい発想で自分たちの文化に取り入れて、オリジナリティー溢れるものにして来たこの国はその影響をお菓子にも反映させてきました。
ここで紹介するのはごく一部ですが、「へぇ~」とか、「ふ~ん」とか読んでいただいてちょっとだけ和菓子に興味を持ってもらいたいと思っています。
少し長い文章になってしまいますが、お暇なときにでもお付き合いのほどお願いします。
ひな祭り
ひな祭りは女の子の健やかな成長を願う行事で「桃の節句」とも言われています。ひな人形に桃の花や菱餅などをお飾りして、ちらし寿司や雛あられ、ハマグリのお吸い物などを楽しむのが一般的ではないでしょうか。しかし、昔は女の子のための行事だけではなかったようです。中国では季節の節目を意味する「節」のころは邪気が入りやすいとされてきました。そして、ひな祭りはその節目である「上巳」という節句が元になっています。中国では上巳に当たる日に川で身を清める習慣がありこれに倣って日本では紙などで作った人形で自分の体を撫でて穢れを移して川に流すことで邪気を払う行事として広がっていきました。人形を流して邪気を払うこの風習は現在でも残る「流し雛」のルーツといわれています。
【五節句】
1月7日「人日(じんじつ)」(七種・七草)
3月3日「上巳(じょうし)」(桃)
5月5日「端午(たんご)」(菖蒲)
7月7日「七夕(しちせき)」(竹)
9月9日「重陽(ちょうよう)」(菊の節句)
なんで、桃なのだと疑問に思う人もいるでしょう。それには云われがあります。
桃は中国では仙木と呼ばれその実は不老長寿のシンボルでもあり木の上に番人がいて、悪い鬼を取り締まってくれるという木です。
そして、日本では邪気を払う事と長寿のご利益プラス桃の木はたくさん実ることから子宝に恵まれるといった大変縁起の良い意味のある木です。
そして、ひな祭りの和菓子といえば菱餅。結構、菱餅ってカラフルですよね。
五節句にはその季節にとれる旬な植物などの食べ物を食べて生命力をもらう風習があり、もともと菱餅は緑のヨモギ一色でした。後に江戸時代以降になると菱の実を使った白色の餅が追加され、明治時代以降はさらに魔よけに効果があるとされる赤色の餅が追加され現在のカラフルな菱餅になりました。
菱型なのにも意味があり、陰陽道で女性を表す形や大地を表す形など言われています。
残念ながら菱餅は現在、松竹堂での取り扱いはありませんが、機会があればまた復活させたいです。
さて、いつも弊社のパートたちの間でもちょくちょく話題に上がるお雛様あるあるといえば、「いつ飾っていつ頃しまうか」です。
ぶっちゃけて言うと、「いつ飾る」の部分はいつでもいいです。
頃合いとしては早ければ節分が終わったら、遅くても1週間前位から飾り始めるのが一般的だと思います。
では、「いつしまう」か。
これが割と紛糾の素だったりもしますね。嫁に行き遅れるからと、ひな祭りの次の日には片付けるとか、年中飾ってある(ケースに入っている場合は見えなくするために布で覆う)とかいろいろです。
段飾りの場合はすごく凝ったものや立派なもの、由緒あるものなどが多いと思いますし、何より飾ってある様子は華やかになります。現代では家事やお仕事などで忙しくてなかなか片付けられないものですよね。しかし、そもそも災厄を身代わりになってもらっている人形をいつまでも置いておくもどうかと思うわけです。
そんな方には旧暦の3月3日(4月の上旬)までに片付けておくという風にしておくと端午の節句に被らずに済むかと思います。
いかがでしたでしょうか。私は少し調べただけでこれだけ長い歴史を持つひな祭りの変遷を目の当たりにして、いつの時代も子に健やかに育ってほしいと願うのは一緒だったと感じました。これからも子の成長を願う行事は大切にしていきたいですね。松竹堂ではお雛様のイベント商品としてお雛様とお内裏様を模したフルーツ餅を販売しています。
職人が一体一体着物を着せていくため数量限定になりますが、一つずつ願いを込めながら着せていきます。
ご興味がわきましたら、ひな祭りのデザートに、お飾りのお供にしていただけたらと思います。